日本ヘアカラーパッチテスト協会JHCPTA

お客様の信頼を得るための必須プロセス、パッチテストの勧め方

お客様の信頼を得るための必須プロセス、パッチテストの勧め方

安全性の確立を上げる

コロナ禍で経験したように、抗原検査キットでセルフチェックを行い、必要に応じてPCR検査を受けるなど、安全性を段階的に確立していく取り組みが重要視されました。この考え方は、ヘアカラー施術においても同じです。まずは30分のパッチテストを行い、肌の状態を確認することで、安全性を第一に考える一歩を踏み出しましょう。このように、段階的に安全性を確立する取り組みが、お客様に安心感を提供する鍵となります。

なぜパッチテストが必要なのか?

ヘアカラー剤には、多くの化学成分が含まれており、中にはアレルギー反応を引き起こす可能性がある成分もあります。その中でも、「パラフェニレンジアミン(PPD)」はアレルギーを引き起こす主要成分として知られています。以下のケースでは、特に事前のパッチテストが必要です。

  • 初めてのカラー施術
    カラーを一度も経験したことがないお客様は、思わぬ反応を起こす可能性があるため、特に注意が必要です。
  • 産後初めてのカラー
    妊娠中や産後はホルモンバランスの変化で肌質が敏感になりやすく、以前は問題なかった方でもアレルギーを発症するリスクがあります。
  • 敏感肌や過去に皮膚トラブルを経験している方
    アトピー性皮膚炎や肌荒れを起こしやすい方には、事前の確認が欠かせません。
  • ヘアカラーアレルギー歴がある方
    一度アレルギーを発症した場合、再度の施術で重篤化するリスクがあります。また、パッチテスト自体がリスクとなる場合もあるため、このようなお客様には専門医の診断や指示を仰ぐようにアドバイスしましょう。

パッチテストの種類と実施方法

即時型パッチテスト(30分)

短時間で確認でき、サロンで施術直前に実施可能です。ヘアカラー剤を腕の内側に塗布し、30分後に反応をチェックします。

  • 簡単かつ迅速に実施可能。
  • 忙しい日でもお客様の負担を最小限に抑えられる。

遅延型パッチテスト(48時間)

遅発性のアレルギー反応を確認します。施術の2日前にテストを行い、肌に異常がないか確認します。

  • より確実にリスクを回避できる。
  • 敏感肌やアレルギーリスクが高いお客様に適している。

お客様への勧め方

パッチテストを勧める際には、以下のようなアプローチを心がけましょう。

  • 丁寧な説明で安心感を提供
    「パッチテストはお客様の安全を守るための大切なステップです」と、リスク回避の重要性を伝えます。具体的な症例を挙げることで、納得感を得やすくなります。
  • パッチテストの手軽さを強調
    即時型テストの場合、「30分で確認ができますので、今日の施術前に簡単にチェックが可能です」と提案します。
  • 選択肢を提示する
    より確実に確認できる30分および48時間タイプのテストがあり、お客様の肌の状況やスケジュールに合わせて選んでいただけます。
  • リスクとメリットを伝える
    パッチテストを行わないリスクと、行うことによる安心感をバランスよく伝えましょう。

パッチテストを実施するサロンのメリット

  • 信頼感の向上
    お客様に「安全第一」の姿勢を示すことで、長期的な信頼関係を築けます。
  • トラブルの回避
    万が一の肌トラブルを未然に防ぐことで、クレームや評判低下のリスクを減らします。
  • ブランディング効果
    「安心・安全な施術」を提供するサロンとしてのイメージアップにつながります。

最後に

安全性を確立することは、お客様に安心して施術を楽しんでいただくための基本です。まず30分のパッチテストを試みることから始め、信頼と安心感を提供するサロンづくりを目指しましょう。段階的に安全性を確立する取り組みは、サロンの信頼性を高めるだけでなく、お客様との長期的な関係性を築く上で欠かせないプロセスです。ただし必ずしもパッチテストの結果が100%ではないことに留意しましょう。

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